2730 F1開幕戦バーレーンGP決勝結果 はくぶん 2010-03-15 03:14:19
気温35度、灼熱のバーレーンで行われたF1開幕戦。
その決勝の結果は以下の通りとなった。

優勝アロンソフェラーリ
2位マッサフェラーリ
3位ハミルトンマクラーレン
4位ベッテルレッドブル
5位ロズベルグメルセデス
6位シューマッハメルセデス
7位バトンマクラーレン
8位ウェバーレッドブル
9位リウッツィフォースインディア
10位バリチェロウィリアムズ
11位クビサルノー
12位スーティルフォースインディア
13位アルグエルスアリトロロッソ
14位ヒュルケンベルグウィリアムズ
15位コバライネンロータス
16位ブエミトロロッソ
17位トゥルーリロータス
リタイアデ・ラ・ロサBMWザウバー
リタイアセナヒスパニア
リタイアグロックヴァージン
リタイアペトロフルノー
リタイア小林 可夢偉BMWザウバー
リタイアグラッシヴァージン
リタイアチャンドクヒスパニア

ポールポジションからスタートダッシュでトップに立ったベッテルは、
危なげない走りで34周目まで首位をキープ。
アロンソも常に2番手に付け、ベッテルを追っていた。
中盤に入って、徐々に徐々に差を縮めて行くアロンソ。
そしてドラマは35周目に入ったところでやって来た。
メインスタンド前を通過し第1コーナー手前で突然トラブルを起こし、
急にペースが落ちたベッテルのマシン。
どのコーナーの立ち上がりでもパワーが上がらない。
後ろに付けていたアロンソが猛然と襲い掛かり、
後半のストレートでスリップストリームから抜け一気にベッテルをオーバーテイク。
それに続くように、3位に付けていたマッサもベッテルを抜き去る。
ここでフェラーリの1-2体制が出来上がった。
その後、4位のハミルトンにも抜かれて4位に転落。
終盤は後ろからロズベルグとシューマッハが迫って来るも、
何とかチェッカーまで4位の座を死守した。

マシントラブルさえなければ、開幕戦の優勝はベッテルだっただろう。
4位に終わったとはいえ、他の上位勢より1周2秒も遅いマシン状態で、
その位置を最後まで死守したベッテルは、やはり並のドライバではないことを証明した。

ベッテルを抜きトップに立ったアロンソは、その後も手を緩めることなく、
マッサすら後方に追いやって一人旅でチェッカーを受ける。
勝利が確実なものになった後でさえ、
なおも攻撃的に走るアロンソを今まで見たことがない。
いつもならエンジンをいたわって、多少はペースを落とすのだが。
最終コーナーを立ち上がり、チェッカーを受ける直前で、
2、3回のジグザク走行を披露したアロンソ。
憧れのフェラーリに移籍して、開幕戦はどうしても勝ちたかったのだろう。
いつも冷静なアロンソにしては珍しくお茶目なところを見せたシーンだった。
途中でマッサが挙動不振に陥る場面もあったが、フェラーリの1-2体制は揺るがず、
そのまま久し振りの1-2フィニッシュを開幕戦で果たした。

注目のシューマッハは結局は6位フィニッシュ。
一方、チームメイトのロズベルグはその上の5位。
今後、この二人に確執が生まれなければいいがと思わせるような結果となった。

小林可夢偉は残念な結果に終わった。
スタートダッシュで2つ順位を上げ、まずまずの走りをしていたのだが、
12周目にハイドロ系のトラブルでマシンが急にスローダウン。
そのままリタイアとなった。
ピットに戻って来た時、可夢偉はかなり怒っていたらしいが、当然だろう。

新規参戦チームのヴァージンとヒスパニアは共に両ドライバ揃ってリタイア。
BMWザウバーすら両ドライバがリタイアしたということになる。
そんな中、順位は低いがロータスは2台共に完走。
久々のF1参戦にしては、なかなか健闘したのではないだろうか。

今年度からレギュレーションが変わり、レース中の給油は一切禁止となった。
ルーティンとしてピットに入るのは唯一タイヤ交換のためだけ。
従って、実際のピット作業も2〜3秒と短いものになった。
給油なら絶対に入らなければならないが、タイヤ交換なら入ろうが入るまいが、
そのタイミングを数周ずらしたところで、それほど致命的な要因になるわけではない。
どのチームもタイヤ交換はレース中に1回だけだったのではないかと思う。
従って、昨年度までレース展開を大きく左右して来たピット戦略というものが、
今年度からあまり重要な役割を果たさなくなったという点が、
今回のレースを見ていて一番強く感じたことだった。

レースが進行すればする程、ガソリンが減り車重が軽くなって速くなるマシン。
給油直後の重いマシンを、後ろから来た軽いマシンが抜き去るという、
昨年度までは当たり前だったシーンも見ることはない。
まさにドライバの技術とマシンの性能のみで順位が決まる、
純粋なカーレース・システムになったと言えるだろう。

ドライバーズポイント
1位25アロンソフェラーリ
2位18マッサフェラーリ
3位15ハミルトンマクラーレン
4位12ベッテルレッドブル
5位10ロズベルグメルセデス
6位8シューマッハメルセデス
7位6バトンマクラーレン
8位4ウェバーレッドブル
9位2リウッツィフォースインディア
10位1バリチェロウィリアムズ

新規参戦チームが加わり出走台数が増えたため、
今年度からポイントシステムも変更となり、
10位までが入賞としてポイントを獲得する。

予想通りの面々が上位でフィニッシュする結果となった。
まだシーズンは始まったばかりだが、この上位6人によって、
これからのチャンピオンシップは争われて行くのではないかと思う。
もちろん最終的にはベッテルとアロンソの一騎討ちになるだろうが。

コンストラクターズポイント
1位43フェラーリ
2位21マクラーレン
3位18メルセデス
4位16レッドブル
5位2フォースインディア
6位1ウィリアムズ

今回のフェラーリの1-2フィニッシュで、フェラーリが頭一つ抜け出た感じ。
しかし、今後ベッテルとアロンソがワールドチャンピオン争いを繰り広げるなら、
フェラーリとレッドブルの争いになっていくだろう。
そこにチームメイトであるウェバーとマッサ、
その他ハミルトン、ロズベルグ、シューマッハがどれだけ絡んで行くか。
それが今後のコンストラクターズポイントを左右すると言っていいだろう。

なお、今回のバーレーンGPには、
アラン・プロストがレーススチュワード(競技審査委員)の一人として参加している。
今後はF1レース経験者にレーススチュワードを依頼する事も続けられるようで、
すでにデーモン・ヒルやナイジェル・マンセルの下にも依頼が来ている模様。
これは当然の事だろうし、正しい判断ではないかと思われる。

開幕戦はフェラーリの1-2フィニッシュで幕を閉じた2010年度F1チャンピオンシップ。
次なる戦いの場は唯一の南半球開催地オーストラリア。
ぜひともベッテルの巻き返しを期待したいものである。

次回F1第2戦オーストラリアGPの決勝は3月28日。
今から非常に楽しみである。
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