2972 | F1第5戦スペインGP決勝結果 | はくぶん | 2010-05-10 04:36:23 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
カタロニア・サーキットで行われたF1第5戦スペインGP。 天候も路面コンディションも申し分なく、 まさにマシン性能とドライバの腕が試されるレースとなった。 その決勝結果は以下の通り。
ポールポジションから飛び出したウェバーが、 安定した走りで最後までトップを守り切り、 今季初のポールtoウィンと共に今季初優勝を果たす。 ウェバーと共に最前列からスタートしたベッテルだったが、 途中ハミルトンに抜かれ、緊急のタイヤ交換の間にアロンソにも抜かれたため、 今回はレッドブルの1-2フィニッシュは成らなかった。 母国グランプリでありながら、今回のアロンソは比較的地味な走りだった。 終盤に緊急ピットインしたベッテルを横目に3位に浮上したアロンソだったが、 ハミルトンとの距離は依然として縮まらないまま。 しかし、ファイナルラップでドラマは待っていた。 ハミルトンが路面に落ちていたパーツを踏んだのか、 はたまた自らのパーツが飛んでしまったのか、 コーナーの入り口で突然左フロントのタイヤが脱落し、 そのままタイヤバリアに激突してクラッシュ。 完走扱いで14位にはなったものの、あと1周を残して無念のリタイアとなった。 ハミルトンのリタイアで2位に浮上したアロンソと、3位に浮上したベッテル。 しかし、今日の二人にはいつもの冴えはなかったように思う。 特に終盤、ブレーキがまったく利かず、 すべての減速をエンジンブレーキのみで行っていたベッテル。 他のマシンと比べて2秒も遅いタイムで走らなければならなかった彼にとって、 今回のレースはただ苦しいだけのものだっただろうと想像できる。 開幕からアクシデントに見舞われ続けているベッテルが、レース後のインタビューで、 ウェバーにはあまりトラブルがないのに、自分は50%の確率で起きている、 と語っていたのは印象的だった。 3位表彰台を獲得しながらも、全然嬉しそうな顔を見せなかったベッテル。 今は彼にとってひたすら我慢の時期なのかもしれない。 アロンソもレース後のインタビューで、 レッドブルを上回るにはある部分の改良が必要だと語っていたが、 彼の表情も全然嬉しそうではなかった。 表彰台組の中では、優勝したウェバーだけが嬉しそうな顔を見せているだけだった。 今回のレースで最もエキサイティングな走り見せてくれたのは、 アロンソでもベッテルでもなく、41歳の皇帝シューマッハだった。 序盤から中盤にかけてのバトンとの熾烈な争いは圧巻の一言。 マシンの性能で上回るバトンのマクラーレン。 ストレートスピードもコーナリングスピードもマクラーレンが上。 しかし、ストレートで並ばれようとも、コーナーで並ばれようとも、 バトンをことごとくブロックし、 決して前には行かせないシューマッハの意地とテクニック。 国際映像が20周近くに渡って彼ら二人だけを追い続けたのも当然と言えるだろう。 最後までバトンに抜かれなかったシューマッハ。 マシンがアップデートしたということもあり、 いよいよ皇帝の本領発揮を予感させるバトルだった。 解説でも、バトンも攻めるのに疲れたんじゃないですかね、と言っていたが、 実際、終盤のバトンには前半ほどの猛烈さはなく、 シューマッハには余裕の走りすら見えた。 レース後のインタビューでも、バトンの攻撃を楽しんでいた、と笑顔で語っていた。 上位3チームと比べると、まだまだ戦闘力において差のあるメルセデス。 チームメイトのロズベルグが13位フィニッシュと下位に沈む一方で、 同じマシンを駆りながら、堂々の4位フィニッシュは見事の一言に尽きるだろう。 解説では、シューマッハの本当の恐さ、というフレーズが何度も繰り返されていたが、 史上最多のワールドチャンピオンの本当の恐さは、これから始まるのかもしれない。 今季初めて完走を果たした可夢偉。 中盤でのペトロフとの攻防は非常に見応えがあり、 国際映像も暫くその二人を追い続けていた。 マシンがアップデートされ、戦闘力がアップしたBMWザウバーのマシンだが、 ストレートでルノーに追い付けないBMWザウバーなど初めて見た。 今季はそれほどエンジンにスピードと信頼性がない。 スポンサーが付かず、苦しい資金繰りで開発が思うように進まないBMWザウバー。 そんな中での可夢偉の完走は非常に意義あるものであり、 これからのBMWザウバー復活のきっかけになればと誰もが思っただろう。 マシン開発さえ上手く行けば、上位ドライバと充分戦える腕を持っているため、 早くスポンサーが付き、戦闘力のあるマシンに仕上がり、 可夢偉が存分に暴れることを期待する。 ドライバーズポイント
今回優勝のウェバーが25ポイントを加算して4位にジャンプアップ。 依然としてバトンが首位に留まっているが、 アロンソがすぐ下まで追い上げて来ている。 1位のバトンから8位のクビサまで、まだまだ混戦状態にあると言えるだろう。 ポイント的にはちょっと離れているシューマッハだが、 今後の展開次第では上位に食い込んで来る可能性は充分にある。 ヨーロッパラウンドが終わった辺りが一つの目安になるだろうが、 それまではまだどうのこうの言える状況ではない。 コンストラクターズポイント
ウェバーの優勝とベッテルの3位で、一気に上位2チームに追い付いたレッドブル。 今後もこの上位3チームの争いになっていくだろうと予想される。 しかし、伏兵はメルセデス。 現時点では上位3チームにちょっと離されているが、 シューマッハに復活の兆しが見えるため、 今後は油断できない存在となっていくだろう。 ドライバーズポイント同様、 現段階ではまだまだどうなるかわからない状況であると言える。 母国グランプリを優勝で飾れなかったアロンソ。 毎回決勝で何らかのトラブルに見舞われるベッテル。 復活の兆しを示し、本当の恐さを見せ始めたシューマッハ。 依然として好調を維持するハミルトンとバトンのマクラーレン勢。 その戦いは、F1の聖地と言われるモナコへと引き継がれて行く。 かつてモナコマイスターと呼ばれたシューマッハか。 そのシューマッハをモナコで破りワールドチャンピオンに輝いたアロンソか。 なかなか抜けないモンテカルロ市街地コース。 今季、F1の聖地を征するのは一体誰なのだろうか。 F1第6戦モナコGPは、来週5月16日決勝レース。 |
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