3040 F1第7戦トルコGP決勝結果 はくぶん 2010-05-31 03:58:02
トルコのイスタンブールパークサーキットで行われたF1第7戦トルコGP。
スタート時は気温28度、路面温度48度という絶好のコンディション。
しかし、そんな条件とは裏腹にレースは波乱の展開となった。
その決勝結果は以下の通り。

優勝ハミルトンマクラーレン
2位バトンマクラーレン
3位ウェバーレッドブル
4位シューマッハメルセデス
5位ロズベルグメルセデス
6位クビサルノー
7位マッサフェラーリ
8位アロンソフェラーリ
9位スーティルフォースインディア
10位小林 可夢偉BMWザウバー
11位デ・ラ・ロサBMWザウバー
12位アルグエルスアリトロロッソ
13位リウッツィフォースインディア
14位バリチェロウィリアムズ
15位ペトロフルノー
16位ブエミトロロッソ
17位ヒュルケンベルグウィリアムズ
18位グロックヴァージン
19位グラッシヴァージン
20位チャンドクヒスパニア
リタイアセナヒスパニア
リタイアベッテルレッドブル
リタイアコバライネンロータス
リタイアトゥルーリロータス

ハミルトンが今季初優勝を飾ると同時に、
マクラーレンが今季2度目の1-2フィニッシュも果たした。
スタートダッシュでベッテルに抜かれたハミルトンだったが、
2コーナーですぐさま抜き返し2位奪回。
トルコでのマクラーレンは、レッドブルと比べて遜色ないほど、
マシンは状態の良い仕上がりになっていた。
コーナーではさすがにレッドブルに追い付くことはできないが、
完成されたFダクトがもたらす圧倒的なストレートスピードは、
現時点で全チーム中ナンバーワンだろう。
序盤はウェバーの後ろにピタリとつけ、終始プレッシャーをかけ続けていた。
しかし、ウェバーとハミルトンより1周早くピットインし、
タイヤ交換を済ませたベッテル。
その作戦が功を奏したか、
1周遅くタイヤ交換を済ませたハミルトンを抜き、2位に浮上。
スタートダッシュでシューマッハに抜かれたバトンも、
1周目で再び抜き返し4位をキープ。
中盤までは、ウェバー、ベッテル、ハミルトン、バトンが、他を後方に追いやって、
4台が3秒以内にひしめくだんご状態でレースをリードしていた。

このレースに見所は1箇所しかなかった。
そのドラマは41周目にやって来た。
トップのウェバーを抜こうと、
チームメイトのベッテルがストレートエンドでインからウェバーに並ぶ。
両者まったくのサイドバイサイド。
普通ならアウト側のウェバーが手を緩めて、インのベッテルを先に行かせるのだが、
ウェバーはまったく譲らなかった。
その結果、二人は接触し、ベッテルのマシンはタイヤをバースとさせコースアウト。
そのままリタイアとなってしまった。
ウェバーもその接触でコースアウトしたが、
フロントウイングを損傷しただけで続行可能。
他のマシンより5秒くらい遅いペースでピットまで辿り着き、
ウイングを交換しレースに復帰。
1-2体制で走っていたレッドブルのチームメイト同士の意地の張り合いが、
ベッテルはリタイア、ウェバーも3位に後退するという結末になってしまった。
マシンから降りたベッテルは明らかに怒っていた。

棚ぼた式にハミルトンに舞い込んだトップの座。
しかし、そのまま独走でチェッカーというわけにはいかなかった。
レッドブルの次はマクラーレンのチームメイト対決。
このレースにもう1箇所見所があるとした、
たぶんこのマクラーレンのチームメイト対決だっただろう。
レース終盤に後方からバトンがハミルトンに仕掛ける。
ストレートエンドでバトンがハミルトンに並び、コーナーの途中でオーバーテイク。
この瞬間、バトンがトップに躍り出た。
しかし、その後ピッタリとバトンの背後に付いて、
すぐさま次のコーナーで仕掛けるハミルトン。
ハミルトンにしては綺麗にバトンを抜き返した。
2位に後退したバトンは、チームからガソリンとタイヤを気遣って走るよう指示が出て、
ペースを落としたバトンは周回を重ねる毎に、ハミルトンに引き離されて行った。

今回はレッドブルとマクラーレンが圧倒的に速かった。
それに比べて精彩を欠いたのはフェラーリ。
あのアロンソが、ルノーのペトロフを抜くのに四苦八苦する有り様。
それくらいフェラーリのマシンには速さがなかった。
それを考えれば、マッサの7位、アロンソの8位は健闘した方ではないだろうか。

可夢偉はこのレースで10位に入り、初ポイントを獲得した。
しかし、スーティルに抜かれて一時は11位に下がった可夢偉。
もしベッテルのリタイアがなければ、初ポイントを手にすることはできなかっただろう。
それを象徴するかのようなシーンがあった。
周回遅れのトロロッソのブエミを抜き去る可夢偉。
しかし、周回を重ねても、ブエミとの差は開かず、むしろ逆に後ろから煽られる始末。
チームから指示が飛び、仕方なくブエミを先に行かせることになった。
周回遅れのマシンに後ろから煽られるなんてことが今まであっただろうか。
まさに前代未聞の醜態を演じたと言っていいだろう。
一応、2度目の完走は果たしたものの、
何となく次に繋がらないような10位フィニッシュだったような気がする。

ドライバーズポイント
1位93ウェバーレッドブル
2位88バトンマクラーレン
3位84ハミルトンマクラーレン
4位79アロンソフェラーリ
5位78ベッテルレッドブル
6位67マッサフェラーリ
6位67クビサルノー
8位66ロズベルグメルセデス
9位34シューマッハメルセデス
10位22スーティルフォースインディア
11位10リウッツィフォースインディア
12位7バリチェロウィリアムズ
13位6ペトロフルノー
14位3アルグエルスアリトロロッソ
15位1ヒュルケンベルグウィリアムズ
15位1小林 可夢偉BMWザウバー
15位1ブエミトロロッソ
18位0デ・ラ・ロサBMWザウバー
18位0コバライネンロータス
18位0トゥルーリロータス
18位0グロックヴァージン
18位0グラッシヴァージン
18位0チャンドクヒスパニア
18位0セナヒスパニア

ウェバーと同点首位で並んでいたベッテルのノーポイントは痛かった。
一気に5位まで後退してしまった。
今回3位のウェバーが依然として首位をキープ。
その下には今回1-2フィニッシュを果たしたマクラーレンの二人が、
アロンソを抜いて2位と3位に浮上した。
そして注目すべきはルノーのクビサ。
非力なルノーにも関わらず、今だ6位をキープしている。
しかも性能的には上のメルセデスの二人を依然として抑えている。
レッドブルとマクラーレンに追い付くのは厳しいだろうが、
現在不振に陥っているフェラーリを抜く可能性は充分にあるような気がする。

前回モナコGP決勝のファイナルラップでアロンソを抜いたことでペナルティを課せられ、
結局前回はノーポイントになってしまったシューマッハ。
今回は4位フィニッシュだったが、
チームメイトのロズベルグも5位フィニッシュだったため、
その差はほとんど縮まっていない。
果たしてシューマッハは今季が終わるまでにロズベルグに追いつけるのだろうか。

現時点では、ドライバーズランキングは首位のウェバーから8位のロズベルグまで、
まだまだ予断を許さない状況にあると言えるだろう。

コンストラクターズポイント
1位172マクラーレン
2位171レッドブル
3位146フェラーリ
4位100メルセデス
5位73ルノー
6位32フォースインディア
7位8ウィリアムズ
8位4トロロッソ
9位1BMWザウバー
10位0ロータス
10位0ヴァージン
10位0ヒスパニア

今回1-2フィニッシュを果たしたマクラーレンがレッドブルを抜いてトップに立った。
しかし、その差は僅かに1ポイント。
現在フェラーリが不調なので、フェラーリが復調するまでの間は、
この上位2チームによる争いになるものと思われる。
それにしても、フォースインディアやウィリアムズの得点状況を考えると、
ルノーの73ポイントは大健闘していると言っていいだろう。
クビサの力が、このルノーの躍進に大きく貢献していることは言うまでもない。

次回はヨーロッパからアメリカ大陸に場所を移して戦われる。
今季から復活したカナダGPは、以前と同様ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでの開催。
マシンの消耗が激しく、難しいコースとして有名なジル・ヴィルヌーヴ・サーキット。
当時BMWザウバーだったクビサは2007年シーズンに、
このコースでマシン大破という大クラッシュを起こしている。
過去にはシューマッハもクラッシュした経験を持つ。
そんな難コースを征するのは果たして誰なのだろうか。

F1第8戦カナダGPは6月13日決勝レース。
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