3076 F1第8戦カナダGP決勝結果 はくぶん 2010-06-14 04:12:33
高速コースではあるが、壁がコースに迫っているためクラッシュが多く、
セーフティカー導入の多い荒れた展開になりやすいカナダGP。
しかし、今回はクラッシュこそなかったが、
はじめは70周で3回のタイヤ交換が必要と思われるほどコースがタイヤに厳しく、
タイヤマネージメントが勝敗を分ける、今年のGPとしては異例のレースとなった。
その決勝結果は以下の通り。

優勝ハミルトンマクラーレン
2位バトンマクラーレン
3位アロンソフェラーリ
4位ベッテルレッドブル
5位ウェバーレッドブル
6位ロズベルグメルセデス
7位クビサルノー
8位ブエミトロロッソ
9位リウッツィフォースインディア
10位スーティルフォースインディア
11位シューマッハメルセデス
12位アルグエルスアリトロロッソ
13位ヒュルケンベルグウィリアムズ
14位バリチェロウィリアムズ
15位マッサフェラーリ
16位コバライネンロータス
17位ペトロフルノー
18位チャンドックヒスパニア
19位グラッシヴァージン
リタイアグロックヴァージン
リタイアトゥルーリロータス
リタイアデ・ラ・ロサBMWザウバー
リタイアセナヒスパニア
リタイア小林可夢偉BMWザウバー

序盤、ソフトタイヤで7周、ハードタイヤでも20周持たないタフな路面コンディションで、
トップに立ったのはポールポジションから飛び出したハミルトンだったが、
途中、タイヤ交換のタイミングによりウェバーにトップを明け渡す。
ほぼ同じタイミングでタイヤ交換を行ったアロンソにも、一時は前に行かれるシーンもあったが、
周回遅れのマシンにもたつくアロンソの隙を突いて一気にオーバーテイクし、
タイヤ交換の引っぱり過ぎによりペースダウンしたウェバーをストレートで交して再びトップへ。
最後は余裕の走りを見せ、トルコGPに続く堂々の連続優勝を果たした。
2位には同じマクラーレンのバトンが入り、チームとしてもトルコGPに続いて連続の1-2フィニッシュとなった。

一方、この2週間で速さを上げて来たフェラーリだったが、
アロンソはハミルトンにもバトンにも抜かれ、その後は抜き返すことも出来ず、
本来の調子を取り戻すまでにはもうちょっと時間が掛かるものと思われる。
久し振りに表彰台に立ったアロンソだったが、ハミルトンとバトンが喜びを表す中、
一人だけまったく嬉しそうな表情を見せなかった。
厳しい路面コンディションでは、タイヤに厳しいマクラーレンより、
タイヤに優しいフェラーリの方が有利かとも思われたが、
レースの模様を見ると、マシンの性能にそれ以上の開きがあるものと思われる。

2本目のハードタイヤを引っ張り過ぎたウェバーは、結局それが原因でベッテルより下の5位フィニッシュとなったが、
あの状況に於いては、それが必ずしも間違った判断だったとは言えないように思える。
上位3台と同じタイミングでタイヤ交換を行ったベッテルは、
最後はマシンのどこかにトラブルを抱えていたのか、ペースがまったく上がらず、
上位3台からは15秒以上遅れてのチェッカーとなった。

今まで最速と言われ続けて来たレッドブルのマシンだが、
このカナダGPに於いて、その勢いに翳りが見え始めたと解説では語られていた。
しかし、以前からストレートスピードでは圧倒的な速さを誇っていたマクラーレン。
高速のジル・ヴィルヌーヴ・サーキットでは、その威力を発揮したに過ぎないと思うのだが。
いずれにせよ、レッドブル側もエンジンに限界を感じているのか、
エンジンを現行のルノーから他メーカーへチェンジする案も出ているようだ。

今回もオープニングラップでリタイアとなった可夢偉。
横に並んだマシンを避けるために緑石に乗り上げ、マシンがジャンプしコントロールを失って壁に接触。
解説では避けるために仕方なかったと話していたが、見ている限りでは腕が未熟な印象を受けた。
アロンソやベッテルなら、それで壁に接触することはなかっただろうと思う。

ドライバーズポイント
1位109ハミルトンマクラーレン
2位106バトンマクラーレン
3位103ウェバーレッドブル
4位94アロンソフェラーリ
5位90ベッテルレッドブル
6位74ロズベルグメルセデス
7位73クビサルノー
8位67マッサフェラーリ
9位34シューマッハメルセデス
10位23スーティルフォースインディア
11位12リウッツィフォースインディア
12位7バリチェロウィリアムズ
13位6ペトロフルノー
14位5ブエミトロロッソ
15位3アルグエルスアリトロロッソ
16位1ヒュルケンベルグウィリアムズ
16位1小林 可夢偉BMWザウバー
18位0デ・ラ・ロサBMWザウバー
18位0コバライネンロータス
18位0トゥルーリロータス
18位0グロックヴァージン
18位0グラッシヴァージン
18位0チャンドクヒスパニア
18位0セナヒスパニア

今回の1-2フィニッシュで遂にドライバーズポイントもマクラーレンの上位独占状態となった。
5位のベッテルまで僅か19ポイント差ではあるものの、今のマクラーレンの勢いを考えれば、
この差をベッテルがひっくり返すのはなかなか難しいのではないかと思われる。
そしてそれは4位のアロンソにも言えることではないだろうか。
今後、マクラーレンの好調が続くなら、ワールドチャンピオン争いは、
ハミルトンとバトンのチームメイト対決になっていくことになるだろう。
しかし、復調の兆しが見えるフェラーリ。
アロンソがこのまま二人の独走を許すはずはないと思うが。
今後、厳しくなって来るのはフェラーリよりもレッドブルだろう。

コンストラクターズポイント
1位215マクラーレン
2位193レッドブル
3位161フェラーリ
4位108メルセデス
5位79ルノー
6位35フォースインディア
7位8ウィリアムズ
7位8トロロッソ
9位1BMWザウバー
10位0ロータス
10位0ヴァージン
10位0ヒスパニア

今回の1-2フィニッシュにより、マクラーレンがトップ快走状態。
2位のレッドブルとは22ポイント差ではあるものの、
勢いの差を考えれば、こちらも今後レッドブルには厳しい状況になって行くものと思われる。
復調の兆しの見えるフェラーリとは既に50ポイント以上の差がある。
これからフェラーリがどこまでマクラーレンに近付けるか。
そのためには、アロンソだけでなく、最近低調なマッサの活躍も当然必要となって来るだろう。

次戦はスペインのバレンシア市街地コースで行われるF1第9戦ヨーロッパGP。
市街地ゆえに高速コースではないので、マクラーレンの速さを他のチームがどこまで封じ込めるかがポイントとなるだろう。
このGPが終われば、その次からはヨーロッパの高速サーキットが続くことになる。
ここでレッドブルやフェラーリがどういう結果を残せるか。
今後のワールドチャンピオンシップを争う上でも非常に重要なレースであると言える。

F1第9戦ヨーロッパGPは、6月27日決勝レース。
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