3652 | スイートリトルライズ | はくぶん | 2010-11-27 17:27:26 |
続けて2回観た。 ウッズの言っていた、 “ちょっと言ってみただけですよ” という台詞には何も動かされなかった。 もともと池脇千鶴のような女の子には興味がないからかもしれない。 積極的ではあるが、どこか大雑把な印象を受ける。 それにしても、昔に比べて顔が丸くなったね。 しかし、彼女の台詞のどれにも動かされなかったわけではない。 “私は行きますよ。先輩が呼んでくれたならどこだって。絶対” この台詞にはかなり動かされた。 力強い意志の表れには心動かされるね。 ただ、ウッズの言う、 池脇千鶴によって大森南朋が壊れて行く、 という印象はなかった。 もともとの大森南朋に、壊れるほど確固たる人間像を感じなかったからだろう。 どちらかと言うと、居ても居なくてもわからない人間。 そんな掴み所のない空気のような風のような印象しかなかった。 中谷美紀と大森南朋の夫婦役。 まるで母親と息子のような二人。 中谷美紀は大森南朋の何が良くて結婚したのかわからない。 “私の窓だから”という台詞があるが、 窓が意味する人物像からはかけ離れている印象しかない。 大森南朋はどう見ても木偶の坊にしか見えない。 それは中谷美紀だけでなく、池脇千鶴にも言える。 蓼食う虫も好き好き、と言ったところだろうか。 この映画には意味不明な台詞がいくつか登場する。 その一つが、中谷美紀が仲居さんに向かって言う、 “私たち駆け落ちなんです” という台詞。 この台詞の果たす役割が未だにわからない。 そこにその台詞を入れる意味があるのか? 遊び心ならもうちょっと気の利いた台詞を入れて欲しかった。 この映画の中で最も印象に残った台詞は、 トリカブトで旦那さんを殺したと言うおばあちゃんの言った、 “寂しいよん。一人だろうと二人だろうと寂しいもんなんだよん” 悪い意味で最も印象に残ってしまった台詞もある。 不倫相手である小林十市の所へ行くため、 急いで家を出ようとする中谷美紀の顔を見て、 大森南朋の妹役の大島優子がつぶやいた一言、 “瑠璃子さん、きれい” 女の直感が鋭く働く緊張シーンだが、 残念なことに大島優子は台詞棒読み。 もったいない。 ストーリーとしては全体的に平坦。 大胆な展開もなければ、劇的変化もない。 微妙な心理の動きを感じ取れなければ、退屈な映画と言えるだろう。 大森南朋のほとんど変化のない言動や表情から、 心理の動きを読み取るのはなかなか難しかった。 と言うより、この主人公は大森南朋で適役だったのか? 中谷美紀一人が光っていた。 そんな映画だった。 |
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