4226 間違うリスク はくぶん 2012-01-24 21:40:33
ある本で読んだのだが、
日本の一般常識とは正反対なので、
非常に印象に残っている言葉がある。
著者は当然外国人。

間違うリスクを冒すことが、最も間違いが少ない。

ここで言う“間違い”とは、“何もしない”ことを指している。
つまりこの一文は、
何もしないくらいなら、間違ってもいいから何かしろ、
と言っているのである。

日本では恐らく、
間違うくらいなら何もするな、
となるのではないだろうか。

外国人は、間違うことより何もしないことを恐れるようだ。
A rolling stone gathers no moss.
という有名な諺も、そんな考え方をよく表している。

間違うことは悪いこと。
恐らく大半の日本人はそう思っているだろう。
子供の頃から、正解が一つしかない問題ばかり解いて来たのだから、
それも仕方のないことなのかもしれない。

しかし、外国の問題ではよく、
正解が一つではなかったり、正解が無かったりする。
そういう環境で育った人間達にとっては、
間違うことは必ずしも悪いことではないのだろう。
いや、そもそも間違いなどという概念が無いと言った方がいいかもしれない。
実際にやってみて、上手く行くか行かないか。
絶対的な正解があるのではなく、
自分にとっての正解と間違いがあるだけなのではないかと思う。

間違えるということは、一つの上手く行かない方法を発見したにすぎない。
そんな言葉もどこかで見たことがある。

何もしなければ、自分にとっての正解も間違いもわからない。
そう考えれば、その著者の言う、
間違うリスクを冒すことが、最も間違いが少ない、
という言葉は、当たり前のことを言っているように思われる。
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