5079 | 人的補償 | はくぶん | 2014-01-07 10:01:58 |
プロ野球には人的補償という制度がある。 相手球団から欲しい選手を獲得する代わりに、 相手球団が望む選手を自球団から出さねばならない。 取られて困る選手はプロテクト枠として、28人まで指定することができる。 人を取られたから人で取り返すみたいな話だが、 人がすべての野球の世界では、金で解決しないこともあるのだろう。 ただ、このシステムで気になることが一つある。 人的補償として獲得する選手は、取り返すという意味もあるだろうが、 チームにとって何らかの必要性を満たしていると判断されたから指名されたのである。 もちろん、それはその選手の過去の成績を見て判断しているのだが、 その成績は、その球団にいたから残せたという側面は考えないのだろうか。 その球団の環境やその選手のモチベーションが、その成績に繋がっている。 環境の変化も大きいが、モチベーションはもっと大きいだろうと思う。 自分はプロテクト枠で守ってもらえなかった。 自分はあの球団でもっとやりたかった。 もしかしたら、そういう思いを多少とも引き摺りながら、 自分が望んだわけではない他球団でプレーすることになるのである。 そんな甘えはプロでは通用しないと言われるかもしれないが、 逆に心理が及ぼす影響を甘く見ていると言える。 近代競技でどれだけメンタルトレーニングが重要視されているか。 こういう話を聞くと、いつも思い出すのが、三国志に出て来る徐庶である。 劉備の下では大いにその手腕を振るったが、 曹操のためには殆ど才能を発揮しなかった徐庶。 人的補償で獲得された選手は、過去と同等の実力を発揮できるのだろうか。 |
|||
メッセージ文字数:662/689 | |||