6067 | 出産 | はくぶん | 2014-08-13 15:47:23 |
実父や実母以外の精子や卵子によって体外受精を行っているクリニックが長野県にあるらしい。 日本国内初の代理出産を行ったことでも知られるクリニックとのこと。 最近では無精子症の夫の代わりに、夫の実父の精子を使って体外受精を行った模様。 ここの院長は、子作りは夫婦の問題であり、夫婦が同意すれば何でもOKじゃないか、とでも言っているような気がする。 確かに子作りは夫婦間の個人的な問題ではあるが、生まれて来る子供に直接関係して来る問題でもある。 他の問題と性質が違うのは、それがある程度年数が経ってから、つまり子供が物心ついてから問題になって来るという点である。 子供がほしかったから、医学の力を借りて子供を作った。 そして、年月が経ってから、子供は自分が父親だと思っていた人の子供ではないという事実を知る。 実はお爺ちゃんの子供であるという事実を知る。 この子供の心を一体誰がケアできるというのか? 誰かできる人間がいたとしても、それは偶然に過ぎない。 相性や適性など、それらすべてをひっくるめた結果、その子供にだけ可能であるに過ぎない。 世の中は、システムや制度で、それらをカバーしていこうとする。 しかし、そこで行うのは人間である。 ちょっとくらい訓練したからといって、相性や適性の壁を乗り越えることは不可能である。 医者は積極的に推し進めたいだろう。 しかし、もしこのクリニックの院長が、子供のできない身体だったとしたら、他の夫婦と同じように、自分以外の精子で子供を作ろうと考えるだろうか。 人間とは勝手な生き物である。 自分に関係がなければ何でもできる。 死刑廃止論者の旗頭とでも言うべき存在だった弁護士が、自分の家族が殺害されてからは死刑賛成論者に転向したという事実を、俺はいつまでも忘れることができない。 |
|||
メッセージ文字数:737/758 | |||