7090 | 和製英語 | はくぶん | 2016-03-27 12:56:25 |
和製英語というものがある 日本人が勝手に創作し、日本人の間だけで使われている英語。 英語圏の人間相手に使うと理解されないものが殆ど。 そもそも表現感覚の異なる言語同士、文法的に正しくても意味が誤解される場合も少なくない。 逆に、文法的には間違っていても、ニュアンスなどから理解してくれるものもある。 しかし、和製英語の殆どは英語圏の人間が首を傾げるものばかり。 それほど英語的センスに欠けた表現であると言えるだろう。 最近気になった和製英語が“マスト・アイテム”。 多分英語で書くと“Must Item”となるのだろう。 中学で習った通り、mustは助動詞。 後ろには基本的に動詞が来なければならない。 一方itemは名詞。 動詞としての用法はない。 この時点で英語圏の人間には、不思議な響き、意味不明なフレーズとなっている。 多分“必要不可欠なアイテム”“無くてはならないアイテム”と言いたいのだろう。 “必要不可欠な”という形容詞も、“無くてはならない”という形容詞も、英語には存在する。 ---------------------------------- 必要不可欠な:essential 無くてはならない:indispensable ---------------------------------- “essential”はシャンプーやリンスの商品名にもなっている馴染みのある単語。 “indispensable”は、昔、海外取引の場でよく使ったが、もちろんちゃんと理解されていた。 なぜこれらを使わないのか。 “Essential Item”、“Indispensable Item”と言えばいいではないか。 形容詞+名詞が正しい用法である。 英語圏の人間が“必要不可欠なアイテム”“無くてはならないアイテム”という場合に、通常そう表現するのかどうかは別として、少なくとも言わんとしている内容は理解されるだろう。 それにも関わらず、なぜわざわざ助動詞+名詞などという間違った用法を選ぶのか。 mustの方が発音が短いからか。 mustがそれほど一般ピープルに普及している英単語だとは思わない。 日本人同士で使うのだから、意味さえ通じれば、細かい文法などどうでもいいのだ。 そういう主張があるのかもしれない。 だったら、なぜ英語を使うのか。 日本語で“必須項目”と言えばいいではないか。 なぜそれほど意味不明な表現を用いてまで、英語で表さなければならないのか。 わざわざ英語圏の人間に誤解を招く表現など用いなくとも、おかしくても何でも日本語で表せば済む話ではないか。 英語も禄に分からんくせに、英語で表現しようとするな、ということである。 英語で表現するなら、語感が乏しいのは仕方ないにしろ、少なくとも文法くらいは守って、意味のある英語を表せということである。 |
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