7381 はくぶん 2018-10-20 11:55:26
大阪府を、府を省略して、大阪と呼ぶことは珍しくない。
いや、むしろその方が一般的だろう。

他の県も、県を省略して呼ぶことは頻繁に行われている。
東京も然りである。

しかし、北海道だけは、道を省略して呼ぶことはない。
少なくとも、自分は聞いたことがない。

ちょっと調べてみると、道という区画は、古代律令制時代からある、かなり古い行政区画らしい。
最初に東海道・東山道・北陸道・山陰道・山陽道・南海道・西海道の七道が置かれ、1869年に北海道が追加されたそうだ。
北海道だけ、かなり新しいというわけだ。

ところで、この古代の七道の中で、今も地域を表す名称として残っている東海・北陸・山陰・山陽は、道を省略して呼ぶ方が一般的である。
道をつけると、むしろ道路を表す語になってしまう。

では、なぜ北海道だけ道を省略しないのか。
北海という海がある。
しかし、それは大西洋北東部の海で、日本の地名の話をしている時に、それを連想することはないだろう。
北海という湖がある。
しかし、それは北京の内城にある湖で、殆どの日本人は知らないだろう。
北海という都市がある。
しかし、それは中国の湾岸都市で、これもあまり日本人には知られていないだろう。

東海は道が省略されている。
韓国に東海という都市があるが、それでも省略されている。
外国に同じ地名があっても、それは省略には関係ないようだ。

北海がそんなに呼び難い名称だとは思えない。
それでも省略せずに北海道と呼ぶ。
語感の問題だろうか。
習慣の問題だろうか。

何でも省略したがる日本人が省略しない不思議である。
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