7456 漢字の話題 はくぶん 2019-09-24 00:37:35
職場で「既存」を“きそん”と発音している者が何人かいて、非常に違和感を覚えていた。
自分はずっと“きぞん”と発音していた。
そこで、今日正しい発音を知るべく、ネットで「既存」を調べてみた。
すると、元々は“きそん”が正しい発音だったらしい。
ただ、時代の流れで、“きぞん”と濁って発音する人間も、一定以上存在するようになり、“きそん”と同等に正しい発音として認められるようになったらしい。
よって今では、“きそん”も“きぞん”も、優先順位なく正しい発音とされている。

「存」を使った熟語は他に、依存、共存、現存、残存などがある。
自分は、“きぞん”同様、“いぞん”、“きょうぞん”、“げんぞん”、“ざんぞん”しか読み方が無いと思っていた。
しかし、本来は濁らず“いそん”、“きょうそん”、“げんそん”、“ざんそん”が正しい読み方だったようだ。
今では“ぞん”と濁る読み方を優先的に正しいとしているようだが、“そん”という濁らない読み方も正しい読み方として、“ぞん”より優先度は低くなったものの、今でも使用は認められているようである。
ただ、そうは言っても、今まで“いそん”、“きょうそん”、“げんそん”、“ざんそん”などと発音している人は見たことがない。

濁らない読み方としては、「過不足」は“かふそく”と読むのが正しいらしい。
“かぶそく”は間違った読み方とのこと。
これも現実問題として“かふそく”と発音している人間など見たことがない。
もしかしたら、実際は“かふそく”と発音しているのを、自分の思い込みで“かぶそく”と聞き間違えているだけなのだろうか。
ちなみに、「寝不足」は“ねぶそく”と濁る読み方しかないようである。

「茨城」は関東の人間には“いばらき”で当然なのだが、関西の人間にとっては“いばらき”なのか“いばらぎ”なのか、若干迷うところ。
と言うのは、大阪には「茨木市」があり、これは“いばらぎし”と発音するからだ。
漢字が違うのだから、発音も区別できるだろう、と思うかもしれないが、そんな単純なものではない。
大阪には“いばらき”が無いため、“いばらぎ”と読めるものは、どうしても全て“いばらぎ”と読んでしまう。
また昔から難関名門高校であり、最近、北野高校を抜いて大阪府立高校のトップに立った「茨木高校」の影響も、少なからずあるのかもしれない。

相手の会社に対して使う「御社」と「貴社」も明確な使い分けがあるようだ。
「御社」は話し言葉(口語)で、「貴社」は書き言葉(文語)で用いるというルールがあるらしい。
話し言葉で「貴社」を用いると、場合によって「記者」や「汽車」、「帰社」などと混同する可能性があるので、「御社」を使うべきということらしい。
ただ、他の県ならそれでいいだろうが、和歌山県で不用意に“おんしゃ”を使うと、場合によっては暴力沙汰に発展する可能性があるので、注意が必要である。
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