キング・カズ ■その座を奪われて、なお■ 城彰二がW杯全敗でフランスから帰国した際、空港で水をかけられ、生卵をぶつけられた。 これを友人から聞いたカズは、城に電話をかけた。 「水をかけられたということはお前(城)がみんなにエースと認められたと  いうことなんだぞ。俺だってブラジルでファンにドラム缶を投げられたんだぜ。  挫けるなよ。お前はまだ先を目指すべき男だよ」 自らが失った代表の座。そのライバルだったFWに対してこんな激励の言葉を かけられる男、カズ。本当にサッカーが好きなんだな、と思った。 ■誰かを貶めるのではなく■ カズはJリーグ開幕の頃、バカなマスコミが「野球は時代遅れ」と言ってた頃、 「僕は野球好きですよ」とテレビカメラの前でヴェルディの選手達とキャッチボールしてた。 俺、カズの人柄があのときから好きになった。 ■恩義■ カズは里帰りするたびに、実家の近所の老夫婦がやってる紳士服店で スーツを仕立ててるらしい。どんなイタリア製のスーツよりもいい着心地だとか。 子供の頃よく老夫婦にアメ玉をもらっていたというカズいわく、 「もらったアメ玉と同じだけの数、同じだけの色のスーツを仕立てるつもり。  俺がサッカーを続ける限りね。だって世話になったんだもの。」 ■カズのワールドカップ優勝予想■ 「ワールドカップで優勝するのはどこの国ですか?」 「サッカーを一番愛している国が優勝するよ」 ■カズとヤワラちゃん■ 「成功した時にスポーツ紙の一面になるのは普通の選手。  失敗した時にスポーツ紙の一面になる選手は限られている。  一面で失敗を取り上げられ叩かれることに誇りを持てばいい」 (1998年柔道の田村亮子選手(現・谷亮子選手)がイチロー選手との対談で 「カズさんに言われたこの言葉を思い出すと心強くなる」と語った)