写真  私事ですが、一昨年、母親が他界しました。 見つかりにくい場所のガンであった事 手術はうまくいったけれど、すでにリンパに転移していた事 抗ガン剤もいい結果は出なかった事 この時だけは悪い方にばっかり転がっていたように思います。 いろんな人から「がんばって!」と励まされ、母も「うん、がんばる!」と答えていました。 ある日、二人きりになった時に、 「がんばれ、がんばれって何をどうがんばったらいいねん・・」 噛み殺す様に振り絞った言葉でした。 また、母の兄弟がお見舞いに行きたいと言ってきた時も 「病室で泣かれると心が折れるからいい」 と断っていました。  葬儀も終わり、家の中を整理していた時の事です。 母は写真を撮る事が好きで、タンスから大量の写真が出てきました。 (こんな事したら写真くっついてしまうやん) アルバムを買ってきて、一枚一枚丁寧に収めていきました。 その時に“母が写っている写真が少ない事”に気が付き、愕然としました。 と同時に、母の担当医と話した言葉が思い出されたのです。 「僕は年に一回必ず家族写真を撮ります。恥かしいけれど、必ず撮ります。」  もしあなたに愛する家族がいるのであれば、1つのフレームの中に納まった写真を撮るべきです。 桜の開花が、海開きが、紅葉が、初雪がニュースになる国に住んでいます。 季節と共に、“あなたが写っている”家族の歴史を残してください。