砂漠 砂漠を旅する青年のお話。 一人の青年がラクダを1頭連れて砂漠を旅しておりました。 入念に準備をし、十分な水と食料を用意しての旅立ちでした。 しかし、どうやら道に迷ってしまったようです。 青年も最初は慌てたものの、 「水も食料も十分にある、自分を信じて先に進もう。」 と旅を続ける決心をしました。 何日も旅を続けるうちに、困ったことが出てきました。 何しろ<若い男>ですから、たまるものもたまります。 青年はあたりを見回します。 ・・・あたりは見渡す限りの砂の世界 砂・砂・砂・砂・・・・・・ラクダ・・・ラクダ? 「いや、まさかラクダなんて・・・いや、もうラクダでもいい!」 最初は躊躇した青年でしたが、一度火の付いた欲望には耐え切れず、猛然とラクダに挑みかかります。 しかし、青年の異様な雰囲気を察してラクダも暴れだし、ついに青年はラクダに蹴飛ばされてしまいます。 青年は我にかえり、自分の異常な行動を反省し、また旅を続けるのであった。 数日後・・・ 青年の目前になにやら倒れた人影が見えます。 急いで近づいてみると、美しい女性です。だいぶ弱ってしまっていて、搾り出すようなか細い声でこう言いまし た。 「道に迷い、食料も水も果ててしまいました。どうか助けてください、お礼は何でもします。」 幸い青年はまだ十分な食料を持っていたので、すぐに分け与えました。 食料を頬張り、一息ついた女性は 「本当にありがとうございました。おかげで助かりました。あなたは命の恩人です。私にできる事でしたらなん でもします。お礼をさせてください。」 青年はこの女性の言葉で、ここ数日ずっと我慢していた事があったことを思い出しました。 「(アレしかない!)」 意を決した青年は女性にこうお願いするのであった。 「じゃあ、ラクダ押さえててください。」