そんな彼女 昔、付き合っていた彼女が精神的不安定で自傷癖や不眠症をわずらっていて、 その彼女のストレスがいつも俺に向けられた。 いつしか俺もそんな彼女と一緒にいるのが嫌になり、別れ話をきりだすことになった。 彼女のことは好きだったけど俺も若かったし、もっといろんな可能性を夢みていた。 俺が別れ話を切り出すと彼女は意外とあっけらかんとしていて「私も別れようって思ってた。」と言った。 俺はその時ちょっと安心して彼女の家を去った。 帰りの電車の中でいままでの彼女といた3年間の出来事を思い出していると涙が出た。 彼女も同じ気持ちだろう、俺に気を使ってあんなに気丈に振舞っていたに違いないと思うと ほんとに彼女に申し訳ないことをしたと思った。 今は俺も30になって結婚もしている。 俺のかみさんは今はもう元気になって精神状態も安定して、お互い幸せに暮らしている。 あの時電車を途中で降りて死のうとしていた彼女のもとに戻らなかったらどうなっていただろうとふと考えることがある。