白い恋人 クリスマスの日、男はようやく出来た年上の恋人をデートに誘った。 買ったばかりの服に身を包み、髪型も整え、手には軽く香水をつけて 男は意気揚々と家を出た。何度も読んだデート雑誌を読み返しながら電車に揺られ 男は目的地に待ち合わせ時間よりも30分早く着いた。 しかし、恋人はもうその場に来ていた。 寒そうに手を丸め息を吐きかけている彼女を見て、男はしばらく立ち尽くす。 彼女は白いガウンを着ており、それがなんとも似合っていた。 男は思った「なんてキレイなんだ、、、」 そうしているうちに彼女は男に気づき歩み寄ってきた。 「どうしたの?そんなところで突っ立って」 「いや、つい見とれちゃって」 男は正直に言った。 「えへ、ありがと」 彼女の素直な笑顔を見て男は幸せを感じていた。 男の中で、もっとこの娘の笑顔がみたいという抑えきれない衝動がが強まって いくのを男は心地良いとさえ感じていた。 何か面白い事をいってみようと考え、思いついたネタを言ってみる事にした 「そういうのを、白い恋人っていうのかな」 「え?どういうこと?」 笑顔で聞いてくる彼女に男は最後の言葉を付け加えた 「賞味期限切れ」 イイ音が町に鳴り響いた