怪談 ある日、夜中に目が覚めたことがあったな・・ ふと見ると枕元に長髪の女の子の霊がいたんだけども、 眼孔が黒く落ち窪んでて、凄い憎憎しげに睨んできてるんだよね。 んで、可愛い声で口をニヤリとさせて「死ね・・・・死ね・・・」とつぶやき続けてるの。 確かに目が真っ黒でキモ怖かったけど、 寝ぼけてたのもあって、思わず彼女の腕を掴んでしまったのよ俺。 すると、彼女は「きゃ、な・・何するの・・!」と思いっきり慌ててさ、 その瞬間に目も可愛らしいちゃんとした目に変わったわけ。 その顔が凄く可愛くてさ、寝ぼけてたのもあって 思わず「か、かわいい・・」と呟いたんだよ。 その瞬間だよ。いきなりグーパンチ。 幽霊にグーパンチされたのって俺くらいじゃないか? 一瞬で眠気が覚めた俺に、白磁のように白い肌を朱に染めて、 「し、死ね!死んじゃえっ・・!」と叫んで消えちゃった。 それで終わりかと思ったんだけど、次の晩も俺の枕元に座っている。 「死ねぇ・・死ねぇ・・」ってね。 んで俺が「全然怖くないんだけど」っていうとプンプン怒って殴ってくるのよ。 そこで俺が「そんなに可愛い顔を怖がれるかよw」って言うと、 とたんに「な・・・・っ!」って顔が真っ赤になって硬直するんだよ。まじ可愛い。 その日はそのまま逃げるように帰ったんだけど、それからも毎晩彼女は現れた。 寝たふりをしてると、俺の頬を突ついてつまらなさそうにしたり、 しれっと布団に入って来ようとするんだけど、 俺が「何やってんの?」と急に起きた時の慌てようと言ったら。 何か自分は低体温だから凍え死なせる為だとか、何だかんだと言い訳が良く出て来るもんだ。 結局最後は俺が「しゃあねぇな。じゃあ入れよ」って言って布団を開けると、 一瞬うれしそうな顔を浮かべた直後、「し、仕方ないわねっ・・!」とむくれ顔。 で、なんだかんだで、寝つく頃には布団の中で俺の胸にしっかりしがみついて来てます。